自宅待機と休業補償

せっかく働く気があって職場に出向いたのに、
「業績が悪くて仕事が無いから、しばらく会社に来なくていいよ」
「夜までの勤務だったけど、今日はヒマだからバイトは午前中だけでいいよ」

なんていう風に会社の都合で急に休みになったり、労働時間が減らされてしまったら予定は狂うし収入も減るし、ちょっと戸惑ってしまいますよね。

契約通りの労働時間と賃金が確保されない、このような場合に労働者は給料の支払いを求める事は出来るのでしょうか?

基本的には全額請求できる

会社と労働者の契約とは基本的に、労働者が指示通りに働き、会社はそれに対して給料を払うというものです。
つまり例え会社の経営状態が悪くなったり、一時的に仕事が無くなったとしても会社には給料支払いの義務があるのです。

会社の都合で仕事がなくなった時は、休業補償の支払いが必要です。

これを規定しているのは労働法ではなくて民法なので労働監督署などの機関は力を貸してくれませんが、支払いの請求を行えば会社には全額支払の義務があるということを知っておいて下さい。

ただし、民法による契約履行の義務については契約した両者の合意があれば無効になりますから、
「休業手当てを出すから勘弁して」
なんて言われても、安易に応じたりしないように気をつけましょう。

また、実際に請求を行う際には就業規則などに「休業の場合は全額支給しない」などと記載されていないかどうかについても確認する必要があるでしょう。

労働基準法上の休業補償

民法以外に、労働基準法でも会社・雇用者の都合によって労働者が働けなかった場合の補償に関する取り決めがあります。

これは休業補償(休業手当)というもので、休業の理由が会社・雇用者にある場合は通常の給料に対して最低60%の金額をは支払わなければならないと決められています。

こちらには罰則規定もありますし、労働基準監督署の管理する種類の法律なので、もしも自宅待機を命じられているのに十分な給料の支払いが無いような場合はすぐに労働基準監督署に相談するようにしましょう。

会社に責任が無い場合は免除される事も

地震で会社の建物が全部潰れてしまった時や、津波や台風などの被害で仕事が出来ない状態になってしまった場合は、さすがに会社に責任があるとは言えませんので、給料の支払いも免除されます。

しかし、取引先や親会社の経営難、不祥事による休業などの経営上の事については、全て会社にその責任があるとみなされますので、余程特殊な事情が無い限りは休業補償の対象になると考えられます。

※当サイトへのリンクを歓迎いたします。
(管理人へのご連絡は不要です)
-このページに関係する法律-
労働基準法第26条
民法第536条
PAGE TOP