給料の前借りは可能?

日払いのアルバイトなどを除けば、ほとんどの会社では給料の支給形態として月給+ボーナスという形、または年棒として決められた金額を毎月均等割りで受け取るという形になっていると思います。

しかし、急な出費が必要になった時などは
「このままじゃ、次の給料日まで生活できない・・・」
という状況になってしまうこともあるかもしれません。

このような場合に、会社に対して給料の前借りをさせてもらうことは可能なのでしょうか?

原則的には会社の裁量による

基本的に会社は毎月一回以上、定期的に支給日を守ってさえいれば、労働者が前借りを申し出たとしても、これに応じる法的な義務はありません。

だからなんとなく生活費が足りなくなったとか、パチンコや競馬、投資などで生活に必要なお金を失ってしまったように、社会的に見て自己責任で金欠になってしまった場合は、給料の前借りができるかどうかは会社の判断に任せられることになります。

病気や災害の場合は前借りも可能

しかし、お金の管理をある程度きちんとしていても、家族が急病にかかってまとまった治療費が必要になったり、家事で家が焼けてしまったりすれば、必要なお金がすぐに用意できないことも考えられます。

そこで労働基準法では、「使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令定める非常の場合の費用に充てる為に請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払はなければならない」として、緊急の場合は会社・雇用者に対して給料の前借りを許す事を義務付けています。

ちなみに「その他厚生労働省令定める非常の場合」というのは労働者の収入によって生計を立てている人の死亡、結婚や止むを得ない事情での帰郷(一週間以上)であるとされています。

ただし、「既往の労働に対する賃金」というのは既に働いた分だけ、ということです。

労働基準法で前借りの対象になるのは、「既に働いた時間に相当する受け取っていない給料」

例えば前回の給料支払いから半月働いた実績があればその半月の間働いた分の給料を本来の給料日よりも前に受け取ることができるだけで、これから働いて返すという形で未来の給料までを「借金」できるわけではありません。

従って既に働いた分の給料を上回る金額を前借りしたい、と言うような場合は、やはり会社の裁量次第ということになるわけです。

支給日以外に給料を請求できる条件

その他、労働者が退職・死亡した場合は、会社は7日以内に全ての資産(給料・旅行などの積立金・社内預金などの貯蓄)を本人や遺族に対して支払う義務があります。

従って退職したにも関わらず「退職日までの給料は次の給料日に振り込むから」などと言われた場合は、1週間以内に払い込むように請求しておいた方が良いでしょう。

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-このページに関係する法律-
労働基準法第24条
労働基準法第25条
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