急病時の欠勤に対する扱いは?

社会人になると、「健康管理は自己責任」なんて言われてしまう事も多いですが、人間である以上どんなに健康に気を使っていても、たまには風邪をひいてしまったり、体調を崩してしまう時もあるでしょう。

また本人が健康でも、家族の誰かが急に病気になったりすれば、仕事を休む必要が出てくるかもしれません。

このように急病など止むに止まれぬ事情で会社を休んだ労働者に対する会社の対応・処分は、どこまでが「許容範囲」となるのでしょうか?

病欠は有給休暇になる?

実際のところほとんどの会社では、急病などの理由で当日の申請となってしまった場合でも、有給休暇の取得を認めている場合が多いようです。

しかし、就業規則などに有給休暇の取得には事前の申請が必要であることが明記されている場合、会社は当日連絡で休んだ労働者を有給休暇扱いにしなくても違法にはなりません。

この場合は残念ながら「欠勤」の扱いとなりますが、多くの会社で当日病欠の有給休暇取得を認めているという背景を考えると、止むを得ない理由があるにもかかわらずお役所的な対応しかしてくれない会社は、労働環境への配慮が足りないと言えるでしょう。

急病時の欠勤に対するペナルティ

欠勤扱いで会社を休むとなると、気になるのが会社によって減給やマイナス査定などのペナルティを課せられる可能性があるのか?という点です。

これについては法的に「病欠の場合のペナルティはここまで」という制限があるわけではありませんが、止むを得ない事情によって休んだ労働者に対して必要以上に大きな負担になるような処分を課したりすれば、不当処分とみなされる可能性が高いでしょう。

本人や家族の急病による欠勤は、社会通念上止むを得ないと判断されるのが普通です

例えば急病で欠勤した労働者に対して皆勤手当てを支給しない程度の扱いなら許容範囲内と言えますが、ボーナスの全額カットや解雇などの処分は明らか重すぎる処分であると考えられます。

また、大事な商談の日に病気で欠勤して損害が生じたような場合でも、会社が代替人員を用意できるような人員を確保しておかなかったとすれば損害の責任を労働者だけに押し付けるのは理不尽です。

ただし、仕事を管理する立場の労働者が必要な引継ぎを怠った結果として、病欠時に問題が生じたような場合は、病欠の事実そのものよりも危機管理の不備によって評価が低くなるという可能性は十分に考えられると思います。

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