解雇予告の除外認定とは?
会社は労働者をクビにする場合、仮に解雇理由が正当なものであったとしても、30日前に予告するか、あるいは解雇予告手当を支払わなくてはなりません。(詳しくは「不当解雇!と思ったら」をご覧ください)
しかし、事情によっては労働基準監督署に解雇予告の除外認定を受けることにより、即日解雇、しかも解雇予告手当て無しの条件で労働者を解雇できる場合があるのです。
解雇予告の除外認定の対象
解雇予告の除外認定は、解雇が特定の理由に基づく場合に、会社が労働基準監督署に申し出てこれが認められることで初めて有効となります。
なお、法的には労働者がたとえ重大な犯罪を犯していたとしても、事前に解雇予告の除外認定を受けずに解雇する場合には、解雇予告あるいは解雇予告手当ての支払いが必要とされています。
それでは、解雇予告の除外認定の対象となるケースについて確認してみましょう。
解雇の理由が労働者自身にあるとき
一つ目は、法律用語で言うところの「労働者の責に帰すべき事由」つまり労働者が犯罪に手を染めたり会社に大きな損害を与えたりしたケースです。
これは懲戒解雇が有効と見なされる条件とほぼ同じですが、具体例には以下のようになります。
職場で軽微とは言えない犯罪を犯した場合
刑法で罰せられる盗みや横領、傷害事件などを会社内で起こした場合がこれにあたります。
賭博や風紀紊乱等で職場の規律を乱した場合
職場でバクチを行った場合なども解雇予告の除外に認定されることがあるので注意が必要です。
なお、風紀紊乱(ふうきびんらん)とは「風俗や男女の仲がだらしなく乱れている」ことを指すそうです。
採用条件の要素となるような経歴詐称
医師として採用されたのに実は医師免許を持っていなかったとか、タクシードライバーとして採用されたのに自動車免許を持っていなかった、というような場合です。
他の事業への転職
他の会社に転職している場合などは、当然の事ながら職務を果たせないため、即日解雇も止むを得ないと言えるでしょう。
長期の無断欠勤等
無断欠勤をずっと続けていて出勤命令にも応じない・・・というような場合も、解雇予告や解雇予告手当てを与えるに値しないと判断される可能性があります。
天災などで会社が存続できないとき
労働者に責任が無くても、大地震や火災などで会社が存続出来ないほどの大損害を受けた場合は、解雇予告の除外認定が適用される場合があります。
ただし、一定期間後に事業を再開する見込みがあるときや、そもそも災害が経営者の故意や重大な過失によって起こったという場合には対象外となります。
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労働基準法第20条