有給休暇取得日の給料計算

有給休暇は文字通り「給料の発生する休暇」ということですから、休んでも給料は支払われるわけですが、会社によってその金額の算定方法は違う場合があります。

中には職能給や各種手当てなどを除いた基本給だけで計算する会社もあったりして「有給のはずなのに給料が少ない・・・」という事もあるようです。

有給休暇を取った時に支払われる給料の金額に関して、法律ではどのように規定しているのでしょうか?

有給取得日の給料支払い方法は3種類

労働基準法では、労働者が有給休暇を取得した日に支払う給料を、3つパターンから選択するよう定めています。

従って、会社が勝手に「実際は働いてないんだから手当ては削って基本給だけにしよう」とか、「普通の日の半額でいいだろう」などという風に決めることは許されません。

有給休暇取得日に支払う給料から、各種手当てなどを差し引くことはできません

その「3つのパターン」について、一つずつ詳しく見ていくことにしましょう。

通常勤務と同等の給料

まず一つ目、一番分かりやすいのが通常勤務した場合と同等の賃金、つまり有給休暇を取らなかったと仮定して、ごくごく普通に給料を支払うというパターンです。

普通に勤務したのと同じということなので、当然各種手当てや、現物支給されているものなども含まれる事になります。

また、パートやアルバイトなどの場合は、その日に働くはずだった時間分の給料、つまり4時間シフトなら4時間分、8時間シフトなら8時間分の時給という計算です。
(勤務時間に変動がある場合は、長時間勤務の日に休んだほうが得、ということですね。)

平均賃金

平均賃金というのは、過去3ヶ月間に対して支払われた給料の平均値です。
具体的には賃金の合計を、3ヶ月分の歴日(カレンダー上の日付)の数で割って計算します。

この場合、年に2回のボーナスや弔慰見舞金、結婚手当てなどの特別なものについては計算から除外されます。

また、仕事が原因となった怪我・病気や通院などによって遅刻・早退などをした日も、平均の計算からは外します。

健康保険の標準報酬日額

これは、健康保険によって、普段受け取っている給料を基準に段階的に定められた「標準報酬月額」から日割りで計算してその金額を支払うという方法です。

ただし標準報酬は金額に上限があるなど労働者にとって不利になる場合もあるので、この支払い方法を採用するには会社と労働者の間で話し合って労使協定を結んでおかなくてはなりません。

使える計算方法は一つだけ

会社は上記3つのうち、どれか一つを有給休暇取得の場合の支払い方法として採用することが出来るわけですが、どれを選ぶかについては就業規則などで規定する必要があり、「会社の都合に合わせて、その都度安く上がる方を選ぶ」というような方法は認められていません。

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-このページに関係する法律-
労働基準法第39条
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