有給休暇の計画的付与とは
会社によっては全ての労働者が有給休暇を定められた同じ日に、つまり計画的に消化するというような制度があったりします。
あらかじめ休む日を会社に決められていたとしても、有給休暇そのものが取れないよりははるかにマシではありますが
「できれば自分の好きな日に休みたいのに・・・」
と思う人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は会社が計画的に与える有給休暇についてまとめてみたいと思います。
労使協定が必要
有給休暇の計画的付与が無条件に行われたりすれば、それこそ労働者の心や体をリフレッシュするという本来の意味がなくなってしまいかねません。
そこで、有給休暇の計画的付与を会社が行う場合は、労働組合又は労働者の代表との間で労使協定を結び、労働者側の同意を得ておく必要があるのです。
・計画的付与の対象になる労働者
・計画的に付与する有給休暇の日数
・計画的付与の具体的な方法
・有給休暇が与えられていない労働者への取扱い
・計画的付与日を行う日が変更になる場合について
などを設定して、はじめて有給休暇の計画的付与が可能になります。
日数の上限
さらに、労使協定を結んでいた場合でも、計画的に付与する有給休暇の日数には制限があります。
労働基準法では計画的に付与してよい有給休暇は、全ての日数のうち5日を超える部分としています。
つまり、10日の有給休暇が与えられている場合は5日まで。20日の有給休暇が与えられている場合は15日までを計画的に付与できるというわけです。
ただし、これはあくまでも最大値なので、労使協定によって決められている「計画的に付与する有給休暇の日数」の方が少なければ、その日数に制限される事になります。
有給を取れない人、無い人の取扱いは?
有給休暇の計画的付与が行われる日に、例えば急な仕事が発生してしまって休めなかった労働者はどうなるのでしょうか?
この場合は、当然有給休暇を消化した事にはなりませんから、その労働者の有給休暇は減らないことになります。
逆に、入社したばかりで有給休暇が付与されていない労働者でも、有給休暇の計画的付与によって会社全体が仕事を休みになり、休まざるを得ないというケースも考えられるでしょう。
この場合は本人の都合ではなく「会社の都合によって休まされた」ということになりますから、会社は最低でも休業補償として賃金の60%以上を労働者に支給する必要があります。
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労働基準法第39条