過労死の判定基準と残業時間

過酷な労働が続くことにより、知らず知らずのうちに体へのダメージが溜まっていき、ある日突然心臓発作や脳溢血などによって死亡する・・・いわゆる過労死というものです。

過労死は労働者にとってはまさに最悪の結末と言えるものですが、実際に人が亡くなった時に普通の病死なのか、それとも労災に当たる過労死なのかということについては、厚生労働相が一定の基準を定めています。

このコンテンツでは、主に過剰な残業による過労死について情報をまとめてみることにしましょう。

死亡原因

過労死として認定される死亡原因として最も代表的な疾病は、脳梗塞や脳出血のような脳血管疾患と、狭心症や心筋梗塞のようないわゆる心疾患と呼ばれるものです。

これらが労災として認められやすいのは、動脈硬化や血圧の上昇という病気の原因となる要因と、働くことによる疲労の蓄積との関係が科学的に証明されているからだと考えられます。

疲労の蓄積は、命に関わる病気の原因になると考えられています

また、最近では2009年の判定基準見直しによって、最近はパワーハラスメントなどが原因での鬱病、自殺も労災として認定されるケースが増えてきているようです。

45時間以上が警戒ライン

厚生労働相が平成13年に定めた基準では、
「おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる。」
となっています。

この45時間というのは1ヶ月あたりのことで、実際に過労死と思われる死亡に関しては、直近の1~6ヶ月の間に、この時間を超える残業があったかどうかが評価されるということです。

45時間残業というと1日あたり2時間ちょっとですから、会社によっては該当者が大量にいるケースもあるかも知れませんが、少なくともこの時間を超えている場合は会社での労働と死亡原因の間に関連性があると疑われる可能性があります。

80~100時間以上は危険水域

発症前の1ヶ月以内に100時間以上、または2~6ヶ月の間に月あたり80時間以上の残業がある場合は、「業務と発症との関連性が強いと評価できる」とされています。

このレベルになると休日出勤をしたり、毎日深夜まで働くことになるでしょう。

また「残業は何時間までOK?」にも書きましたが、そもそもどんな契約形態であっても、これほど長時間の残業を強いることは違法行為になります。

もしも会社がこのような過酷な残業をさせたり、暗黙のうちにでも承認していることがあれば、すぐにでも改善を求めるべきです。

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