成果主義賃金のウソ
外国の企業がどんどん日本にも進出してきて、ビジネスの世界でも競争が激化して来る中で、給料の制度も徐々に変わりつつあります。
そのため、会社に長く勤めてさえ居れば段々と給料が上がっていく年功序列型賃金から仕事の内容に応じて金額が変わる成果主義型賃金へと移行している会社も多いようです。
しかし、成果主義に移行する企業の中には不明確な仕組みで労働者をごまかして、人件費削減を目論む経営者も多いので注意が必要です。
本当の成果主義賃金とは
本来成果主義賃金というものは、年齢や性別に関係なく成果を上げている人ほど待遇を良くする(賃金を上げる)というものです。
この制度がきちんと運用されれば仕事の出来る人ほど給料は上がり、出来ない人ほど給料が下がるという事になりますね。
結果としてトータルの人件費はそれほど変動しないはずです。
そして年功序列型賃金では、 若い人はその実力に対して給料が安く、年配者は実際の能力よりも高かった訳ですから、これも改善される事になるでしょう。
しかし実際には、賃金体制の変更にかこつけて人件費を大幅に減らし労働者にとって不利な労働環境になってしまう事がとても多いのです。
ポイント1:評価の方法は明確?
成果主義という考え方でまず何よりも大切なのは、その成果を評価する方法が明確に示されているかどうか?という事です。
公平で明確な評価の制度が示されていないと、例え仕事で成果を上げたとしても、それが報われる保障はどこにも無いのです。
ポイント2:トータルの人件費は減らされていない?
年功序列から成果主義に移行したのなら、給料の分配の方法が変わるだけで全員が受け取る給料の合計額に大きな変化は無いはずです。
さすがに会社が支払っている細かい金額まで把握するのは難しいかもしれませんが、職場仲間と情報を共有してみて明らかに給料の総額が減らされているようなら問題です。
成果主義賃で福利厚生はダウン?
最近では成果主義を理由に住宅手当や扶養手当などを減額したり、廃止したりする会社も増えて来ているようです。
そもそも、労働の条件を会社が勝手に変更する事自体が大問題なのですが、労働組合等が会社の言いなりになっている場合も多く、結局は労働者の泣き寝入り・・・という事になっています。
待遇が悪くなれば労働者の士気も落ちてしまう危険があるにも関わらず、成果主義の名の下に目先の固定費を減らそうとする経営者が後を絶ちません。
労働者もただ与えられた指示に従って働くだけでなく、会社の経営方針や意図をしっかりチェックする必要がありそうです。
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