交渉は脅迫にならないように

労働条件の改善や未払い賃金の請求など、会社との間で交渉を持つ機会は色々あると思います。

できるだけ下手に出ずに堂々と交渉するのが理想ではありますが、発言の内容が脅迫になったりしないようには注意しておく必要があるでしょう。

脅迫罪とは

「脅迫罪」という言葉を誰でも聞いたことがあるでしょう。

法的に言うと、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫すること。
つまり、ごく簡単に言えば
「俺の要求を聞かなければお前を○○してやる!」
ということです。

普通は犯罪者が使う手段ですが、会社を相手に交渉する時でも下手な事をいうと「会社を脅迫した」ということになってしまう可能性が無いとは言えません。

脅迫になりかねない事例とは?

例えば、会社がサービス残業などをさせている場合に、
「未払いの給料を今すぐ支払わなければ、マスコミに言いふらす」
とか、
「労働環境を改善しなければ、会社が法令違反をしていることをインターネットの掲示板に書き込んでやる」
などという脅しは、とても正当な交渉の範ちゅうとは言えないでしょう。

不当な手段で利益を得ようとすれば脅迫になる可能性があります

非合法に相手の名誉を傷つけたり、損失を負わせることを匂わせて自分の主張を通そうとしたのでは、クビをちらつかせて労働者に不当な労働を強いる悪徳経営者と同類になってしまいます。

ここまでいくともう”目には目を”の世界で、労働者側が脅迫罪に問われる可能性も十分あるわけです。

正当な主張ならOK

それでは、
「サービス残業を撤廃しないと労働基準監督署に告発する」
「労働条件を改善しなければストライキを決行する」
というのはどうでしょうか?

正当な権利を主張するのは交渉の基本です

これらの場合、労働者は単に自分の正当な権利を主張しているに過ぎません。

例えばサービス残業という違法行為を関係機関に告発するのは、いわば犯罪があったことを警察に通報するのと同じです。

労働契約の条件が希望に合わないからストライキをする(労働を放棄する)のも、単に条件が希望に合わないから取引をしないと言っているだけです。

交渉の時に自分の権利を主張するのは当然ですから、たとえ相手が「それは脅迫だ!」と騒いだとしても、それが法的な罪に問われるような事はありません。

ただし、「○○しないと××するぞ!」という言い方をすると、相手の敵意を刺激する危険がありますから、相手の不利益になるような事柄に関しては”臭わせる”くらいにしておいた方が無難だと思いますが・・・

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