「見て見ぬ振り」は同罪?
同じ職場に不当な扱いを受けている人がいると知った時、あなたならどうしますか?
もしかしたら、「そんな事は許せない!自分も一緒に戦う!」という立派な方もいらっしゃるかもしれませんね。
でも現実問題として、攻撃されている人の味方をしたら自分まで巻き込まれて不利益になりかねない。
周りの人たちが泣き寝入りしているのに自分だけ協力しようとしても限界がある・・・
そう思って結果的に「見てみぬ振り」をしてしまうことも多いのではないでしょうか?
仕事には生活がかかっていますから、自分の環境を守る事に信念を曲げなくてはならない。
確かに会社に雇われて労働者として生きていく上では仕方の無い部分もあるかもしれません。
しかし、ガマンし過ぎて本来持っている権利まで放棄する結果になってしまうのは大きな問題です。
差別と戦った人々
こんな話をご存知でしょうか
その昔、米国では黒人差別が酷い時代がありました。
ただ肌の色が違うというだけで権利は無視され、公共の乗り物であるバスの座席にも「WHITES ONLY」(白人専用席:実際には白人優先席というような運用だったらしい)と表示されているものがあったそうです。
「お前ら黒人は白人に席をゆずれ」という事ですね。
そしてある時、黒人の女性が席に座っていて、白人に席をゆずらなかったところ、バスの運転手はその女性にこう言いました。
「その席から離れろ!さもないと警察を呼ぶぞ!」
意味が分かりません^^;なんで椅子に座っているだけで逮捕されるんでしょうか?現代社会に生きる我々としてはそう感じますよね。
しかし、バスの運転手は警官を呼び、席を立たなかったその女性は本当に逮捕されてしまいました。
後日、その事件の様子を聞いた一人の牧師は言いました。
「みんな、抗議の為に今日からバスを使うのをやめよう。シートに座るという権利を勝ち取るまで!」
その日から多数の黒人は不便を承知でバスに乗る事を拒否するようになり、このボイコットは1年以上続きました。
当時のバス利用者の3分の2は黒人だったので、バス会社は利用者がいなければ当然利益が激減します。
しばらくの後、裁判でも「WHITES ONLY」シートは違法と判断され、この制度は撤廃されました。
結果として黒人たちは「バスに乗らない」という正当な権利を使って「バスで席に座る」という当然の権利を手にしたのです。
これは有名なキング牧師の話です。
もしもボイコットに参加する人がとても少なかったら、バス会社の経営にも影響は少なかったでしょうし、ボイコットは成功しなかったかも知れません。
誰かが不当な扱いを受けていたら、たとえあなたが戦えなくても出来る限り手を貸してあげてください。被害に逢っている人の状況を他の人にも伝えてその人をみんなでバックアップ出来るような環境を作りましょう。
正当な権利を手にするためには、一人の力では足りない場合もあるんです。
(管理人へのご連絡は不要です)