口約束はトラブルのもと!
社会に出て働いていると、書類などではなく会話ベースで約束が交わされることはよくあります。
そして、そんな口約束がトラブルに発展することも珍しくないでしょう。
それが些細な事ならただの勘違い、見解の相違ということで済ませるのが「大人の対応」ですが、仕事の内容や契約条件に関わる事となったらそうは行きません。
例えば、
「一年後には正社員にしてもらえるという約束だった。」
「昇給は年に一回あると聞いていた。」
「一年間営業部で働いたら、二年目からは希望の部署に行けると言われた。」
というような事を口約束でしたと思っていて、
「そんな事言ってないよ?」
と言われたら、これは一大事です。
証拠を残すことの意味
口約束を「契約」として権利を主張するには、やはり何らかの形で証拠を残しておく必要があります。
雇い主や上司にあたる人に対して書類の作成を求めることは、労働者にとって高いハードルではあるでしょう。
しかし、そもそも書面にすることを断るようなら、相手も曖昧な気持ちで言っている可能性が高いと考えたほうがいいです。
「口約束は、約束していないのと同じ」
くらいに考えて、重要な約束に関しては必ず証拠(証跡)を残すようにしておきましょう。
ここでは、約束の裏付けとなる証拠として、よく用いられるものをご紹介しておきます。
覚書
覚書は、会社と会社の間でも取引条件の確認などに使われることのある、かなり厳格な書類です。
勝手に内容を書き換えられないように、同じ書面を2部作成してそれぞれが両方に署名・捺印して作成します。
個人で会社との間で覚書を取り交わすことは簡単ではありませんが、団体交渉の結果など、特に重要な約束については検討する価値があると思います。
念書
念書は覚書と違って、約束する側が約束の内容などを記載し署名・捺印して相手に渡す書類です。
覚書ほど厳格ではありませんが、約束した本人が書いたことがはっきりしていれば、十分な証拠となります。
録音
契約の証拠として録音が使われることは珍しいですが、何か重要な交渉・取り決めをする時には、ぜひその会話の内容を録音しておきましょう。
それが相手の発言だということを証明出来れば、
「そんな事は言っていない」
という言い逃れを防ぐことができます。
メール
誰が誰に送信したかということが分かる電子メールも、裁判などで有効な証拠として使われることがあるものです。
今は職場でも電子メールを使って連絡をすることが多いので、色々な取り決めについては
「~ということで間違いないでしょうか?」
と、メールで改めて相手の意思を確認しておくといいでしょう。
書面や録音などと比較すると、手軽に証拠を集めやすいのも大きな利点です。
(管理人へのご連絡は不要です)