同じ仕事で給料・待遇が違う!

成果主義を導入していて社員ごとに仕事の結果から給料が決まる職場では、個人個人の給料や待遇(昇格など)に差があるのは当然です。

しかし、社長とその家族、親戚などで構成されている同族会社などでは、社長や経営陣と血縁関係にある人が不自然なまでに優遇されていたり、逆に普通の労働者が不当に扱われていたりすることもあるようです。

また、特に家族・親戚といったような間柄でなくても、場合によっては個人的な好き嫌いによって給料や待遇が異なる事もあるでしょう。

さて、このような差別的人事は、法律に違反することにならないのでしょうか?

給料・待遇は平等でなければならない

あたりまえの話ではありますが、労働基準法では労働者の国籍や性別、社会的な身分などを理由に給料や待遇において差別する事を禁じています。

不当な理由によって労働者を差別することは法の理念に反する行為です

だから当然、「社長の親戚だから」「幹部社員の親戚だから」といって他の労働者よりも高い給料を支払ったり、休暇を多く与える、手当てを余計につける、優先的に昇進させるなどの「お手盛り人事」を行えば、違法行為と考えられるでしょう。

また、特に血縁関係が無かったとしても、社長や上司が自分の気に入った社員だけを厚遇したり、逆に個人的に気に入らない社員を冷遇したりすれば、不当な差別であることは明らかです。

人事考課権の濫用とは

労働者の仕事ぶり、成果、能力を評価することを人事考課と言いますが、不公平な人事考課を行えば、「人事考課権の濫用」と判断されます。
「濫用」というのは一定のルールに従わずに無闇に使うこと。つまり不当人事というわけです。

人事考課権の濫用によって労働者が経済的な不利益を受けた場合、会社・雇用者には民法上の損害賠償責任も発生するので、もしも不当な扱いを受けたと感じたら、実質的にどれくらいの損害を受けているのかを評価しておいた方がいいでしょう。

グレーゾーンも多い?

しかし残念ながら、人事に関しては会社・雇用者の裁量に任されている部分が多いのも事実です。

例えば企業の社長が自分の親族を「有能な人材だから」と会社の重要なポストに抜擢したとしても、それがいわゆるコネ人事に当るかどうかを証明するのは難しいと思います。

就職・転職を行う際には、その会社の人事制度などについて、できるだけ詳しく情報を集めておいた方がいいでしょう。

また、幹部クラスに社長と同じ苗字の人間がズラリと顔を並べているような会社は避けるのが無難と言えるのかもしれません。

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-このページに関係する法律-
労働基準法第3条
民法第709条
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