社会人ともなれば一日の大半を会社で過ごす事になりますから、社内で異性との間に恋愛感情が芽生えて・・・ということもあるでしょう。
しかし、その関係がいわゆる不倫だった利すれば、事態は深刻です。
万が一不倫の事実が会社に発覚した場合、どのような処分が考えられるのでしょうか?
意外かもしれませんが、実は日本には不倫そのものを処罰する法律はありません。
つまり、不倫をした社員を窃盗や傷害などの事件を起こした犯罪者のように処分する事は根本的に間違っています。
「不倫が悪い」というのは、あくまでも道徳的な観念だからです。
とはいっても、不倫相手の配偶者が訴えられたりすれば、民法上では損害賠償支払いの義務などが発生するなど、責任を問われることはありえます。
このような道徳上・社会通念上の責任問題を会社での懲戒処分の対象にするには、単純に「悪いことだから」というだけでなく、客観的に見て処分が妥当と考えられるだけの条件が必要になります。
不倫をした社員を処分するには、就業規則の懲戒規程などにその記述がなくてはいけません。
ただし、就業規則に懲戒処分に該当するケースを全て書き出すのは不可能ですから、大抵の場合は
「社内の風紀を著しく乱す行為を行った者は・・・」
とか、
「会社の社会的信用を失墜させるような行為を行った者は・・・」
というような記述になっていると思います。

従って、不倫による処分に関しては、その社員の行為が、
・本当に会社の正常な運営を妨げるほどに風紀を乱したのか?
・経営状態に影響を与えるほど会社の評判を落としたのか?
というあたりが重要になってくるでしょう。
例えば不倫の事実が当事者と上司にしか伝わっていないとしたら、「社内の風紀を著しく乱した」(あくまでも例です)というのはあまりにも拡大解釈であると考えられます。
また、社員とその家族くらいにしか情報が漏れていないのも関わらず「会社の社会的信用を失墜させた」と考えるのもおかしな話です。
このあたりは、実際に不倫という行為が与えた損害の規模と、懲戒処分の内容が釣り合っていなければ不当処分ということになるでしょう。
単に「配偶者以外の異性と肉体関係を持った」というだけで処分の対象となるなら、風俗系のお店を一度でも利用した社員は全て処分の対象になるはずですが、そんな事は社会通念上許されるはずがありません。
さらに、懲戒処分はあくまでも事実が確定していないと下すことはできませんので「社内で不倫の噂がある」というだけで処分したりすれば、これは完全に権利の乱用です。
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