退職と有給休暇の消化
会社を辞めて転職する時や、不幸にも会社を解雇されてしまった時・・・
長い間努めていればいるほど、沢山の有給休暇が残っている場合が多いと思います。
この様な場合に退職した後の日付で有給休暇を消化したり、退職までの間にまとめて消化する事は出来るんでしょうか?
退職したら完全消滅
有給休暇(年次有給休暇)は法律上、「労働関係の存続を前提としたものである」という取り決めがあります。
つまり、退職して会社との関係が無くなってしまえば、労働としての契約もなくなり、有給休暇は自動的に消滅してしまうというわけです。
だから絶対に使ったほうが特!というか使わないとそれだけ損をしてしまうのです。
有給は予定を立てて消化を
自分から退職を申し出る場合、労働者には退職の自由が認められているわけですから最短で2週間あれば辞める事が可能です。
そしてこの2週間を全部有給休暇に指定することも、法的には問題がない事になります。
しかしどうせ自分の意思で退職できるのなら、仕事の引継ぎなどを考えて、十分に有給休暇を消費できるように予定を組むのが理想でしょう。
解雇された場合は
問題は会社に解雇された場合、つまり自分の意思とは関係なく辞めざるを得ない場合です。
会社には1カ月以上前に解雇を予告する義務がありますから、残りの期間を出来るだけ有給休暇として処理してもらうしか方法がありません。
ちなみに会社はこの様な形で有給休暇を申し入れられた場合、時季変更を行なう事が出来ないので認めるしかありません。
これは労働者の権利ですから遠慮なく取得しましょう。
そしてこの場合、残念ながら退社日(会社との労働契約が切れる日)までに残った分の有給休暇は消滅してしまいます。
有給買い上げもOK?
会社が有給休暇の代わりにお金を支払う、つまり有給休暇の”買い上げ”は法律で認められていないからできないと説明する会社が多いようですが、これは必ずしも正確ではありません。
会社がお金の力で労働者から休む権利を奪う事が禁じられているので、法律で与えられた日数に関しては金銭との交換ができないというのは事実です。
しかし、例えば勤務開始から数日間の有給休暇を与えられた場合など、法定日数を上回る分に関しては双方の同意によって「買い上げ」が可能です。
また、退職時に消滅してしまう分の有給休暇を一部買い上げの形にすることも問題は無いとされています。
「有給休暇が残っているが、出来れば出勤して欲しい」
などと言われた場合は残日数を計算して、その分の有給休暇を買い取ってもらうことを条件とするのも1つの手です。
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