仕事中の交通違反と罰金負担

外回りの営業や品物の配送、引取りなど、車で仕事をすることがある人も多いことでしょう。

そして、車に乗っていると、場合によってはスピード違反や駐車違反などで違反切符を切られることもあるかも知れません。

そんなとき、罰金などは労働者が全て負担しなければいけないのでしょうか?

これは労働基準法の範疇ではありませんが、労働者と会社の間でトラブルになる可能性がある問題として考えてみたいと思います。

本人の過失による違反なら自己負担

これは当然と言えば当然のことではありますが、完全に運転者の不注意や過失が原因で取り締まりを受けてしまった場合は、違反をしてしまった本人が罰金を負担しなくてはなりません。

「駐車禁止エリアに気づかず車を止めてしまった。」
「駐車場に止めるのが面倒くさいから、路上駐車してしまった。」
「遅刻しそうだったから思わずスピードを出してしまった。」

このようなケースでは、たとえ仕事中の事であっても、会社に罰金の負担を求めるのはまず無理でしょう。

会社の指示及び管理不足による場合

一方、違反の原因が会社にもあるような場合は、話が変わってきます。

「会社が駐車場代をケチって支給してくれない。」
「会社の駐車場が不足していて、路上駐車せざるを得ない。」
「駐車禁止の場所に止めることを指示される。」
「上司を乗せて運転していたら、もっとスピードを出せと指示された。」
「飲み会で飲んでいることを知っていながら、運転すること命じられた。」

このような場合は、労働者の責任がゼロとは言えないものの、会社にも一定の責任があることは明らかです。

交通違反の原因に会社が関わっている場合、会社にも賠償責任があると考えられます

ただ、実際問題として、会社に罰金の肩代わりを申し出るよりは、交通違反の罰金を全額自己負担で支払って泣き寝入りするケースは少なくないでしょう。
下手に目を付けられると会社にいずらくなる可能性もありますし、そもそも会社が申し出に応じるとも限らないからです。

そのような場合は、証拠集めだけをしっかり行っておいて、退職する時に請求してもいいと思います。

ちなみに一般的な解釈では、損害賠償を請求する権利の時効は3年となっているようです。

支払いは違反者本人が行うのが原則

単純に交通違反に関する法律だけで考えた場合、罰金を支払うのは違反者であることが基本となります。

民法では会社に不法行為の責任を負う義務があるとしていますが、会社がこれを認めなかった場合には、話がかなりややこしくなります。

罰金の支払い滞納が続いた場合、刑罰の対象になる可能性もあるので、十分に注意してください。

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