診断書の提出義務は?
病気や怪我などで会社を休んだ場合、会社から診断書の提出を求められることがあると思います。
しかし、怪我や病気の診断書というのは場合によってはデリケートな個人情報ですから、事情によっては「内容を知られたくない!」ということもあるでしょう。
会社に診断書の提出を求められた場合、労働者には提出の義務があるのでしょうか?
就業規則などに規定されてる?
まずは就業規則に、病気や怪我などで会社を早退したり休んだ場合の手続きとして、診断書の提出が規定されている場合について考えてみましょう。
就業規則などに規定されている場合、診断書の提出についてはあらかじめ会社と労働者の間で合意(契約)が成立しているわけですから、労働者にはそれを守る義務があることになります。
ただし、会社が勝手に就業規則の場合を変えていた場合などは就業規則そのものが無効になりますから、この限りではありません。
規程がない場合は?
特に規定が無い場合は、客観的に見て
「客観的に見て診断書が必要かどうか」
ということがポイントになります。
例えば、風邪で2~3日の間会社を休んだ程度であれば、一般的な感覚で言えば「診断書が必須」とは言えないでしょう。
特に有給休暇を使って休んだような場合は、そもそも休む理由を報告する義務はありません。
従って、会社が診断書を提出しろと指示してきても、これに応じる法的な義務もないわけです。
インフルエンザが流行しているような場合に、会社が他の従業員の安全性を考慮して検査結果を提出させることなどは合理的な指示の範囲となるでしょう。
ズル休みの「前科」がある労働者について欠勤の理由を確かめるために診断書の提出を求めることも、合理的な理由と判断される可能性はあります。
また、傷病手当金などの支給を受ける場合は、客観的に見て証拠となるものが必要ですから、診断書提出の義務があると考えられます。
費用は誰が負担する?
病院で診断書を書いてもらう場合にはお金がかかりますが、それを誰が負担するか?ということについては法的な取り決めはありません。
会社が求めて提出させるのであれば会社が費用を負担するのが筋だと思いますが、今のところは労働者に負担させてもそれが「違法」と判断された例は無いようです。
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