労働条件の変更について

会社に勤めていると、不景気やコスト削減・会社の業務内容のなどを口実に、急に労働条件を変えられる事があります。 例えば・・・

・日勤で勤めていたのに交代制の24時間勤務を命じられた。
・同じ仕事を、より少人数で行なうように命令された。
・終業時間が1時間遅くなった。
・交通費や各種手当て等の額を減らされた。
・給料の額が少なくなった。

など、細かい条件を挙げればきりがありませんが、会社の都合で労働者にしわ寄せが来る事jは多いもの。
こういった場合、労働者は黙って会社の命令に従わなければならないのでしょうか?

会社の命令は絶対?

労働条件の一方的な変更は認められない

労働条件というものは労働者と会社(雇用者)の間での契約、つまり約束事なわけで、会社の一方的な都合で労働条件を変える事は原則として認められていません。

まずは就業規則などの社内規定の内容を確認しましょう。
変更後の内容が予め契約内容の中に含まれていて、それが合法的で社会的に見ても妥当なものであれば従う必要があるといえます。
(後で知らなかった!という事が無いように契約時に労働条件通知書をしっかり確認しておきましょう。)

しかし会社が給料の額や算定・手当て等の仕組みを勝手に変更したり、仕事の内容や様々な手当て等を撤廃したりする事は”押し付け”であって契約内容の変更にはなりません。基本的に労働者の同意が必要なのです。

労働組合や労働者の代表者との協議などによってお互いの同意があってはじめて変更が可能になります。

尚、承諾を求められた時に安易な返事をすると「同意した」と見なされてしまう場合があるので気をつけましょう!
納得が行かない!という場合は出来るだけ大人数で、出来れば労働組合として(無ければ結成して)交渉する方が賢明です。

例外的に認められる場合もある

しかし、どのような場合にでも労働者の同意が必要かと言うと例外もあり、本当に合理的な理由がある場合は労働条件の変更が認められます。

合理的かどうか?という判断はケースバイケースですが、主に以下のポイントで判断されます。

本当に必要な変更か?

例えば給料の減額や手当の廃止、労働強化(同じ作業を少人数で行なうように変更する場合など)の措置でコスト削減を行う場合に、それを行なわなければ経営が成り立たない事実があれば仕方が無い場合も有り得るでしょう。

逆に会社利益を増大させたいという為だけに労働者に負担を掛けようとしているのであれば、合理的とは考えられません。

労働者の不利益の程度

極端な話ですが、”社員食堂のランチが10円値上がりする”という内容の変更なら労働者への影響は少ないでしょうが、”基本給の一律10%カット”という様な内容であればとても大きな影響があると言えます。

労働者の不利益が大きな変更は、簡単には認められません。

変更後の制度の妥当性は?

経営上必要な変更であっても、作業内容の変更によって労働者への負担が過剰になるなど社会的に考えて妥当でない労働条件に変更するのは問題です。

交渉の経緯と内容など

労働者や組合と十分に話し合いをして、お互い譲歩しあっても解決しかった・・・という場合と、はじめから会社が高圧的な態度で労働条件を変更しようとしている場合では状況が異なります。
この様に交渉の経緯やその内容なども合理性を判断する上での判断材料になりますので、会社の一方的な主張がそのまま通る可能性は少ないでしょう。

参考情報参考文献:最高裁の判断では・・・
「合理的なものであるとは,当該就業規則の作成又は変更が,その必要性及び内容の両面からみて,それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても,なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解される。
特に,賃金,退職金など労働者にとって重要な権利,労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については,当該条項が,そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において,その効力を生ずるものというべきである。」


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